阿部慎之助さんがイップスで苦しんでいた。

こんばんは
北海道メンタルクリエイション・イップス研究所札幌支所の秋山です。

今日は、阿部慎之助さんのイップスについて書いていきます。

先日こんなニュースがありました。
テレビ東京の『SPORTSウォッチャー』という番組で【巨人・阿部二軍監督、上原氏に選手生命を救われた?「イップスに陥った」衝撃暴露の秘蔵映像に、ファンからも驚きの声】
というニュースです。

以前にイチロー選手(さん)がイップスで苦しんでいた過去を告白して話題になりましたが、阿部慎之助現読売ジャイアンツ二軍監督もイップスで苦しんでいたのだと、野球ファンの間では話題になっているようです。

改めて、イップスとは何かを確認しておきますと
“イップス”とは、緊張や不安などにより自分の思い通りのプレーができなくなる運動障害のこと。
です。

色々な所で書いたり発言したりしていますが、私自身もイップス経験者です。
私は、大学生の頃にイップスを発症したのですが、阿部慎之助さんも大学生の頃にピッチャーへの返球で悪送球をしてしまいランナーがホームインしてしまうという経験やプロ野球の世界に入ってからも、ブルペンでピッチャーへの返球で悪送球をしたことがあると記事にありました。
また、送球だけではなくサインを出す際にもミスが多くなった時期があったようです。
このように、イップスは野球で言うと投げる事でだけではなくバッティングやサイン、走塁などにも表れる事があります。

阿部慎之助さんは、学生時代から強肩(肩が強い)事で有名でした。
肩が強い選手は、投げる事が得意な選手とも言い換えられます。

投げるのが得意なのに返球イップス?
と思った方もいるかもしれませんが、イップスは得意なプレーに現れる事が多いんです。

  • 野球の送球イップス
  • テニスのフォアハンドイップス
  • ゴルフのパターイップス、アプローチイップス
  • 体操のロンダートなど

阿部慎之助さんが、イップス克服へのきっかけとなった出来事があったそうです。
それは、上原浩治さんの存在だったようです。

上原浩治が阿部慎之助さんに「いいよ、もうこの辺に投げてこい!」とミスを責めずに受け入れてくれたそうです。
ココが大きなポイントです。
上原さんに受け容れてもらったこともそうですが、本人が本当の意味で受け容れられたのだと思います。

今回の記事ではありませんが、阿部さんがイップスを認め受け容れていたからこそイップスを克服でき、受け容れられていない選手はなかなかイップスから抜け出せずにいるとありました。
これは、正にその通りです。

私の所には、イップス克服トレーニングで色々な競技の選手が訪れています。
野球、ゴルフ、ダーツ、カーリング、テニス、サッカー、スキー、体操、歌手、音楽演奏者など本当に様々です。
イップスで苦しんでいる選手全員に伝えているのは、「本当の意味でイップスを受け容れる事が大切だよ」という事。
実は、本当の意味で受け容れる事は簡単ではありません。
なぜかと言うと、自分が得意だった部分が今はできない、ある意味では失敗する確率が高い事も含めて受け容れるという事だからです。
受け容れて初めて克服に向かうと言っても過言ではないくらいイップス克服には大切な事です。

よく、イップスは治る?イップスは治療できますか?などと質問をいただきますが、私は治るや治療できますという言葉は使いません。
イップスは悪いものではなく、症状の1つと捉えているからです。
今の考え方、フォーム、物事の受取り方、メンタルの状態が悪いですよ。というサインだと捉えてほしいのです。

イップスになる原因は人それぞれで、克服に向かうきっかけも人それぞれです。
イップス克服トレーニングに来ていただいている選手一人一人の置かれた環境やメンタルの状態に合わせて一緒に悩み考えながら克服をしていきます。
中には、もう全く問題ありません。怖さも不安も解消されましたと言っている選手もいます。

もし、これを読んでいるあなたがイップスで苦しんでいるとすると、決して恥ずかしい事でも悪い事でもないのでイップスを理解している人に相談してみてください。

周りの人達の関わり方でイップスは良い方にも悪い方にも行きます。悩んでいる選手本人だけでなく、どうか周りの方々も一緒になって、イップスについての理解を深め一緒に克服してほしいと思います。

では、また。

この記事を書いた人

秋山 泰隆